富士山噴火時の火山灰影響

編集部
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先日の発表を編集部にて解説いたします

富士山が噴火した場合、火山灰は風向きによって広範囲に拡散し、特に首都圏を含む関東地方に甚大な影響を与える可能性があります。調査によると、富士山の大規模噴火(宝永噴火規模)では、東京都心部でも10cm程度、神奈川県や山梨県などの近隣地域では30cm以上の火山灰が堆積する可能性があります。
▲出典元:NHK https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250321/k10014756331000.html

▲東京防災情報誌 編集部作成

厚さ別の影響

微量~1mm未満

  • 交通: センターラインが見えにくくなる、スリップしやすくなる
  • 視界: わずかな視界不良が発生
  • 健康: 目や喉に軽い刺激を与える可能性
  • 対策: マスク・ゴーグルの着用、不要な外出を控える

1mm~5mm

  • 交通: 車の走行速度が30km/h程度まで低下、渋滞発生
  • ライフライン: 一部の浄水場が稼働停止、水の供給に影響
  • 電気: 降雨時は発電設備に火山灰が付着して停電リスク上昇
  • 対策: 飲料水の備蓄、屋内待機を基本とする

5mm~3cm

  • 交通: 車の走行速度が10km/h程度まで低下、降雨時は通行不能
  • ライフライン: 水道水の水質汚染、通信障害発生
  • 健康: 呼吸器系の問題が増加
  • 建物: 空調システムへの影響
  • 対策: 最低3日分(できれば1週間以上)の食料・水の備蓄

3cm~10cm

  • 交通: 多くの道路が通行不能、鉄道運行完全停止
  • ライフライン: 広範囲での停電・断水・通信障害
  • 物流: 物資供給が滞る
  • 建物: 軽微な建物被害発生
  • 対策: 自宅での生活継続を基本としつつ、ライフライン状況により避難判断

10cm~30cm

  • 交通: ほぼすべての道路が通行不能
  • ライフライン: 長期間にわたる停電・断水
  • 建物: 雨の場合、建物被害が発生するリスク
  • 社会活動: 首都機能の麻痺、社会経済活動に甚大な影響
  • 対策: 2週間分以上の備蓄が望ましい、ライフライン状況に応じた避難

30cm以上

  • 交通: 完全に交通遮断
  • 建物: 雨の場合、木造家屋の倒壊リスク(30~45cmで全壊率30%)
  • 社会活動: 長期的な社会機能の停止
  • 対策: 避難が必要

交通機関と物流への影響タイムライン

▲東京防災情報誌 編集部作成

ライフラインへの影響

▲東京防災情報誌 編集部作成

火山灰対策に必要な備え

  1. 個人防護:
    • 防塵マスク
    • ゴーグル・保護メガネ
    • 長袖・長ズボン
  2. 備蓄品:
    • 飲料水(1人1日3~4リットル)
    • 食料(最低でも3日分、できれば1週間以上)
    • 懐中電灯と予備電池
    • 携帯ラジオ
    • ポリラップフィルム(精密機器の保護用)
  3. 住居対策:
    • 窓や隙間のシーリング
    • 濡れたタオルをドア隙間に設置
    • 雨水管や排水溝の保護

富士山噴火時の火山灰の影響は単なる視界不良だけでなく、交通、ライフライン、健康、建物など多岐にわたります。特に首都圏のような人口密集地域では、社会経済活動に甚大な影響を与える可能性があるため、個人レベルでの備えと同時に、社会全体での対策が重要となります。

健康と建物への被害

▲東京防災情報誌 編集部作成

火山灰への備えと対応方法

▲東京防災情報誌 編集部作成

まとめ:富士山噴火に備えて

▲東京防災情報誌 編集部作成