信頼できる備えを認証:防災安全協会に聞く製品選びと今後の注目分野

Q: まず、防災安全協会についてご紹介いただけますでしょうか。また、今回の大阪での展示会に出展された目的は何ですか?

水口氏:
水口氏:

私たちは、防災安全協会の事務局長を務める水口と申します。
当協会は、防災用品の品質や信頼性を認証する活動を行っております。今回は、大阪で開かれた防災展に、正会員であるエシカルジャパン様とドリーム様の2社と共に防災用品を展示いたしました。
大阪という地での出展を決めた大きな理由は、昨年南海トラフ地震に関連する臨時情報が発表されたことで、この地域における防災、特に備蓄への意識が非常に高まっているからです。高まった関心に応え、私たちが提案できる商品や、防災に対する私たちの思いをお伝えするために出展しました。

Q: 今回の展示会は介護系のバリアフリー展との同時開催ですが、それに関連したテーマはありますか?

水口氏
水口氏

はい、バリアフリー展と同時開催であるため、特に介護施設や高齢者、障がいのある方など、いわゆる「生活弱者」の方々への備蓄という点に非常に力を入れています。介護職の方々が必要とする備蓄品など、この展示会を通じて提案していきたい、またそうした商品を見つけたいという強い思いがあります。

Q: 来場者の皆様の反応はいかがでしょうか?

水口氏
水口氏

今まで見たことのない防災商品に触れられるという点で、多くの来場者が興味を持たれていると感じます。私たちの推奨する商品だけでなく、他の出展者の防災用品も含め、「どういう風に備蓄したらいいのだろう」と、具体的な備蓄方法や意識に目が向いているように感じられます。

Q: 防災安全協会では、防災用品の推奨品マークの認証を行っていると伺いました。審査はどのようなプロセスで行われるのですか?

水口氏
水口氏

メーカー様からの申請に基づいて審査を行います。審査のポイントは二つあります。一つは、その商品が実用性のあるものかという点。もう一つは、エビデンスに基づいた客観的な評価です。これらを合わせて、第三者委員会が審査し、防災用途に適合していると認められたものに推奨品マークを付与しています。
この推奨品マークが付くことで、特に大手メーカーだけでなく、これから防災市場で商品を展開していこうという中小メーカー様にとって、PRやプロモーションのハードルが下がり、消費者に認知されやすくなるというメリットがあると考えています。

Q: 今後の展示会への出展予定はありますか?また、推奨品の対象として、今後どのような分野に注力していきたいとお考えでしょうか?

水口氏
水口氏

防災分野の情報は東京が中心となることが多いですが、大阪も重要な拠点です。私たちは今回の大阪防犯防災展には今後もレギュラーで出展していく予定です。その他、10月には東京で開催される危機管理産業展(通称リスコン)にも出展を予定しており、来年明けには横浜の震災対策技術展への出展も計画しています。
推奨品の対象分野については、避難所で一律に配布されるような一般的な備蓄品だけでなく、より多様なニーズに応えていく必要があります。先ほど申し上げた「生活弱者」や「介護福祉系」に必要な防災グッズはもちろんのこと、都心部でペット登録数が非常に増えている現状を踏まえ、ペットに関する防災用品にも注目しています。
また、特定の自然災害、例えば水害に対応できる商品や、近年増加し、死者も出ている熱中症に関する対策商品も、災害として捉え、推奨品の幅を広げていきたいと考えています。社会や災害の変化に対応し、推奨する商品の幅を広げていくことが重要だと考えています。

Q: 変化する災害リスクや社会のニーズに対応して、推奨品を多様化させていくのですね。

水口氏
水口氏

そうですね、それが私たちの重要な役割だと考えています。

Q: 本日は貴重なお話をありがとうございました。

水口氏
水口氏

はい、ありがとうございました。

まとめ

防災安全協会の水口事務局長へのインタビューからは、信頼できる防災用品を見極めることの重要性と、それを支援する協会の役割が明確になりました。特に、阪神・淡路大震災から30年を経て防災意識が高まる大阪での出展を通じて、介護を必要とする人々やペットなど、多様化する被災ニーズへの対応を重視する姿勢が印象的でした。製品認証という形で「信頼の物差し」を提供しつつ、時代の変化に合わせて推奨分野を広げていく同協会の活動は、私たち一人ひとりが適切な備えを進める上で、今後ますます重要になっていくでしょう。

【イベントレポート】防犯防災総合展2025 防災安全協会 事務局長 水口様インタビュー